恋愛相談は校舎裏で
「ご、ごめ…っ、ごめんなさ……」



謝りながら、セーターの袖で涙をぬぐう。


でも涙はなかなか止まってくれなくて。



「…怖がらせてごめんね…」



ポン、と優しく頭に手が乗せられる。


それは前と変わらず温かい。



(違う……違うんです、先輩……)



ふるふると頭を横に振ると、先輩は少しだけ笑った。



そして、



「…最後に、ひとつだけ。

…一番誤解してるのは、きっと雪乃ちゃんだよ」




夏輝先輩はそう言うと、もう一度優しく私の頭をポン、となでて、

校舎裏とは反対方向へ行ってしまった。



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