恋愛相談は校舎裏で
「あの、先輩…話、聞いてもらってもいですか?」


「…いいよ」



軽く両手を握りながら言うと、ちらっと見えた、手首の赤い痕。


あれから二日もたつのに、まだ消えていない。

この痕を見るたびに、夏輝先輩にされたことと、

あの押さえつけられた、強い力が、脳裏によみがえる。



あのときのことに顔を赤くしながらも、

私の手首を見て、一瞬、顔を歪ませた宮崎先輩には気づかずに、私は話を続けた。



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