恋愛相談は校舎裏で
「俺、勉強嫌いだから嫌だなー。…家に早く帰れるのは嬉しいけど」


「…そうですね…」



先輩の言葉に、さっきから同じ返事しかしていない私。



だってしょうがないでしょ。

手、握られてるなんて、緊張でいっぱいなんだから…。


寒くて寒くて、体が震えるくらいなのに、

右手だけは、汗かいてないか心配なくらい熱い。




それでもずっと、笑いながら話してくれる夏輝先輩。

今更ながらに優しいな、って思う。



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