恋愛相談は校舎裏で
「…明日は、校舎裏……来てくれる?」


「え……」



少しの間、抱きしめられていた腕を緩めながら、先輩が私の顔を覗きこむ。


その瞳は微かに不安に揺れている。




…校舎裏って…また相談…かな……。



(それとも……)



幸せだった気分が、少しだけ落ち込む。



さすがに、宮崎先輩や、夏輝先輩と仲のいい安西先輩たちに、

あそこまで言われれば、私だって気がつく。



でもそこに確証はなくて、その決定打を打つのが夏輝先輩だ。



この淡い期待は、たった一言で、良くも悪くもなってしまう。



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