恋愛相談は校舎裏で
「…雪乃ちゃん」



その声に反応して、ゆっくりと顔を上げる。

そして見上げた表情はすごく真剣で。



「……っ…」



…言わなきゃ…。


ちゃんと、素直にならなきゃ…。



ちゃんと、“好き”って、言わなきゃ……。



もう、隠してなんて、いられない。




「あの…っ、夏輝先輩…私……!」




…でも、それを言い切ることはできなくて。


先輩は私の唇に人差し指をそっと押し当てると、ふわっと笑った。






「…俺、雪乃ちゃんが好きだ」







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