恋愛相談は校舎裏で
「あ、メール。…明日香からお呼び出しだ。それじゃ雪乃ちゃん、またねっ」


「え?…わっ!?」



抱きしめていた腕を解いて、夏輝のもとへと引き渡す。


嬉しそうに雪乃ちゃんを抱きしめる夏輝と、顔を真っ赤にして驚いた表情であたしを見る雪乃ちゃん。


その後ろでは、恭介が呆れたように笑ってる。



あたしは雪乃ちゃんにニコッと笑うと、手を振って屋上を出た。




ギャーギャー叫んで、笑って、バカやって。


そんなあたし達の、とある一日。



「…やっぱり、夏輝に雪乃ちゃんはもったいないなっ」



屋上から響いてくる、楽しげな声と、恥ずかしがる叫び声を聞きながら、

あたしは笑って階段を下りていった。



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