恋愛相談は校舎裏で
「…あ…すみません」


「あ、いえ…こちらこそ…」



ちょっと驚いて固まっていると、その子はパッと俺を見て謝り、そそくさと階段を上っていった。



…一年生か。
俺、敬語使っちゃったよ。



一瞬だけ見えたあの子の顔。


真っ白な肌で、浮かべていた表情は“無”。


…女の子なのに、一人で教室移動?


そんなことを思いながら、そのまましばらく階段の方を見つめていると、後ろから恭介が「あの子…」と呟いた。


くるっと振り返って恭介を見れば、何かを思い出すような仕草をしていて。



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