恋愛相談は校舎裏で

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「…なんで俺がこんなこと…っ」



さっきから何度目かわからない悪態をつきながら、長々と続く階段を上っていく。


放課後となった今は誰もいない階段。

俺の両手には本が大量に入ったダンボールが抱えられている。



「先生ってば、ちょっと居眠りしただけでひどすぎる…」



国語の授業中、つい居眠りをしてしまった俺は、先生にある任務を言い渡された。


『今日、新しい本がいっぱい届いたんだ。悪いが三浦。放課後、図書室まで運んでくれないか?拒否権はないけどな!!』



任務というよりは、ただの雑用。


がははっと豪快に笑っていた先生の顔が浮かぶ。

恭介には「おまえ、アホやろ」って言われるし…


まぁ俺が悪いんだけどさ。

……最悪でしょ。




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