大好きだよ。
「どおぞ〜」
駅で待ち合わせして
ふたりでスーパーで
新婚さんみたいにお買い物して
周ちゃんが
うちにやって来た。
「お邪魔します」
誰もいないのに
周ちゃん、緊張してるみたい。
脱いだスニーカーを
慣れない様子で玄関の端に並べてる。
そんな姿が
どおしようもなくいとしくて。
ぎゅっ。
「・・・どした?」
たまらなくて
おっきな背中を
後ろから抱きしめる。
こんなこと
私からしたことないから
周ちゃん、すっごいびっくりしてる。
「・・・なんでもないよ」
なんでもないけど・・・
ずっとこおしていたいなあって思ってる私に
周ちゃんはキスして
正面から抱きしめてくれる。
なんでもないけど・・・
大好き、だよ
って
口には出さずに
強く思った。
そのおっきな手から
周ちゃんも同じことを
思ってくれているような気がした。