バイバイしないで
三柳くんと同じ空間で、同じ空気を吸っている…これだけで、私は心が一杯になるのに。確かに同じ役員になって、今より関係を深めていきたいけど私にそんな勇気ない。
「舞子は内気過ぎるんだよ!ほら、しっかりしなよ。今日だよ?係り決め」
「役員決めでしょー、はるちゃん中学がまだ抜けてないよ」
晴海と二人で笑いながら、右側で黒板の前で男子と楽しそうに話す三柳くんを見る。
前から三番目、窓側の席から二番目の私の席は、笑う三柳くんの顔がよく見えた。笑うときに見える彼の八重歯がとてもかわいかった。
「また見てる」
ボソッと聞こえた晴海の声で私は三柳くんから目を背けた。
「シャイなんだから」
晴海は、そんな私をみてさらに笑った。