・3・
 服をみんな洗濯機に押し込んでやってから部屋に戻ると、インコは少し元気になったようで、包まっていたタオルから抜け出していた。
 ドライヤーを嫌がったので、自然に乾くのを待った。純白の羽根は乾くにつれてふっくらし、夕飯や風呂を済ませて部屋にもどったころには痩せぎすの体はすっかり丸くなった。
「あなたどこから来たの」
 もちろん鳥が答えるはずもなく、首をかくかくと動かすだけだった。
「あーあ、なんか気が抜けちゃった。もう寝ようかな」
 誰に言うでもなくそう言って、電気を消した。暗闇の中、白い羽毛が椅子のあたりに浮き上がっていた。
「本当真っ白なんだね。おやすみ」

 床に入って少しすると、
「けーちゃん」
 インコがしゃべりだした。
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop