もう一度だけでいい。



早くしてくれないと、夜ご飯の買い出しに行かなきゃいけないんだけど。

「静かにー」

やさおは十回目となる静かにーを叫んだ。

それでも誰も聞かない。

「あんたらいい加減に静かにしなよ、夏真先生困ってんじゃん」

友達なんていない私はクラスが変わったってどうでもいい。

いい加減我慢のできなくなった私はつい、叫んでしまった。




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