もう一度だけでいい。


「茜なんて名前大嫌い」

捨てた親につけられた名前なんかほしくない。

「で、あんたたちは何のよう?」

話しかけてきた女生徒二人は、開いていた口を急いで閉じて顔を見合わせた。

「あ、あのっ。やっぱりなんでもないです」

「あっそ」

興味はさらさらない。

「んじゃ帰るから」

三人に冷たく言い放って私は教室を出た。



< 15 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop