もう一度だけでいい。


「今日から終わるまでよろしくね、花ヶ嶺さん」

ニコリと笑ったやさおは仕事を始めた。

…仕方ない。

あきらめた私はコツコツと無言で作業を始めた。



「あ、芯切れちゃった」

そう呟いたやさおは立ち上がり私の隣にある机へと歩いてきた。

「っあ」

声が出た時にはもうおそかった。

二人して目を見開く。

……キスした。



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