スピカ
「、ありがと……」
箱を受け取る手が、ついぎこちなくなってしまう。異変に気づかれてしまったのか、洋君は不思議そうに首を傾げた。
「……もっとでかいぬいぐるみとかの方が良かった?」
「へっ? いや、全然。嬉しいよ、うん」
嬉しいのは、嬉しいのだけど……、
「本当に?」
「うん。あ。あたしからも、コレ」
話を逸らすように、慌てて鞄からプレゼントを取り出す。占領していたそれがなくなり、鞄の中は急にスカスカになってしまった。
包み紙を手に取った洋君は、呆気に取られたような顔をしている。
「ありがと、」
「……何?」
「あ、いや。ほら、……誘ったのが昨日だったからさ、プレゼントとか用意してないだろうと思ってて……」
目を泳がせて慌てる仕種が、何だか女の子みたい。もう1度、「ありがとう」と繰り返すと、洋君は優しくはにかんだ。
「開けていい?」
「いいよ」
紙とビニールの音が公園に響く。包装を解いた洋君は、子供のように無邪気に笑い、
「手袋だ」
と。
さっき選んだばかりの、茶色の手袋。洋君の眼に似た、温かい茶色。
「ごめん、急いでたからそんなのしか買えなくて」
「おっ、すげー暖かい! 雅ちゃん、ありがとう!」
喜んでくれる顔に、こっちまで笑みが零れてしまう。
どうして、洋君はこんなにも柔らかく笑えるのだろう。それが不思議で仕方がない。
箱を受け取る手が、ついぎこちなくなってしまう。異変に気づかれてしまったのか、洋君は不思議そうに首を傾げた。
「……もっとでかいぬいぐるみとかの方が良かった?」
「へっ? いや、全然。嬉しいよ、うん」
嬉しいのは、嬉しいのだけど……、
「本当に?」
「うん。あ。あたしからも、コレ」
話を逸らすように、慌てて鞄からプレゼントを取り出す。占領していたそれがなくなり、鞄の中は急にスカスカになってしまった。
包み紙を手に取った洋君は、呆気に取られたような顔をしている。
「ありがと、」
「……何?」
「あ、いや。ほら、……誘ったのが昨日だったからさ、プレゼントとか用意してないだろうと思ってて……」
目を泳がせて慌てる仕種が、何だか女の子みたい。もう1度、「ありがとう」と繰り返すと、洋君は優しくはにかんだ。
「開けていい?」
「いいよ」
紙とビニールの音が公園に響く。包装を解いた洋君は、子供のように無邪気に笑い、
「手袋だ」
と。
さっき選んだばかりの、茶色の手袋。洋君の眼に似た、温かい茶色。
「ごめん、急いでたからそんなのしか買えなくて」
「おっ、すげー暖かい! 雅ちゃん、ありがとう!」
喜んでくれる顔に、こっちまで笑みが零れてしまう。
どうして、洋君はこんなにも柔らかく笑えるのだろう。それが不思議で仕方がない。