スピカ
分かってる。……ううん、本当は分かっていた。もうずっと前から、そんな事気づいていた。
逃げていたんだ。信じたくなかったから、現実を見ようとしなかった。
時間は、止まらないのに。
変わらないものなんて、存在しないのだ。この世には。
変わる事が怖かった。
いや、違う。正確には、人が変わっていくのを、見るのが怖かった。
自分から離れていく事が。
忘れ去られる事が。
だけど、あたしはただの甘ったるい臆病者でしかなかったんだ。
悔しいけど、楸さんの言う通りだ。
自分が変わらなきゃ、大切なものは手に入らない。
人が変わらなければ、あたしの心だってきっと動かない。
本当に大切なものを見つける事すら出来ないまま、死んでいくなんて嫌だ。
不変みたいに、脆いものじゃない。
もっと大切なもの。
変われなければ、きっとそんな事すら見落としていた。
楸さんの心の中だって、きっと、分からないままだった。よく分からない人のままで終わっていた。
こんなにも、世話を焼いてくれる人なんていないよ。
そうやって、心の中まで踏み込んで来るんだ。
楸さんは、狡い。
逃げていたんだ。信じたくなかったから、現実を見ようとしなかった。
時間は、止まらないのに。
変わらないものなんて、存在しないのだ。この世には。
変わる事が怖かった。
いや、違う。正確には、人が変わっていくのを、見るのが怖かった。
自分から離れていく事が。
忘れ去られる事が。
だけど、あたしはただの甘ったるい臆病者でしかなかったんだ。
悔しいけど、楸さんの言う通りだ。
自分が変わらなきゃ、大切なものは手に入らない。
人が変わらなければ、あたしの心だってきっと動かない。
本当に大切なものを見つける事すら出来ないまま、死んでいくなんて嫌だ。
不変みたいに、脆いものじゃない。
もっと大切なもの。
変われなければ、きっとそんな事すら見落としていた。
楸さんの心の中だって、きっと、分からないままだった。よく分からない人のままで終わっていた。
こんなにも、世話を焼いてくれる人なんていないよ。
そうやって、心の中まで踏み込んで来るんだ。
楸さんは、狡い。