スピカ
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時々、自分が分からなくなる。

趣味なんてない。好きな人やものだって、何もない。だから、生きがいとか、生きてる実感なんて、在る訳ない。

ただ、いつも通り目を覚まして、ご飯を食べて、喋ったり怒ったり。何の意識もなく呼吸をして。

これじゃ、人形やロボットと大して変わらない。


愛なんて感情、感じた事ないし。人を愛した事も、愛せた事もない。

家族や友達は好きだし、大事だって思う。
だけど、深いものでも何でもなくて、ただそれだけ。

本当の愛だとか恋だとかが、どんなものかも分からない。そんなものが本当に存在するかどうかさえ、疑わしい。

だって、形がないでしょ?

形がないものなんて信じられない。人間不信とか、そんな重苦しいものじゃなくて。

ただ、安心出来ないんだ。


言葉だけを連ねて、欲望を満たして、満足感を得て、

何になる?


そんな馬鹿げた劇みたいなもの、なくなってしまえばいい。下らないもの。


あたしはただ、安心していたい。
気楽に過ごしたい。

例えどんなに早く終わる人生でも、「楽しかったね」って、「死ぬのが寂しいね」って思えるように生きたいだけなのに。


ねえ、どうすればいい?



楸さんが、苦手。

いつもヘラヘラして、楽しそうな仮面をつけて、“自由で楽しい人生”を演じてるみたいだから。

そのくせ、瞳が濁っていて、あたしに似てるから。



本当、下らない。

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