【完結】めばえ保育園へようこそ~マナ先生の場合~☆2nd.season☆
私はその後、体育館に戻ることは無かった。

気が済むまで泣いて個室から出ると、そこには梓が立っていた。


「愛美(マナミ)…どうしたの?」

「梓ちゃんこそ…どうしたの?」

チャイムは鳴っていない。

――まだ、授業中のはずなのに――


「教室からアンタの姿が見えたから。他の子達は、まだ帰って来てないみたいだし」

「梓ちゃぁん…」

気が済むまで泣いたはずだったのに、私の目からは、まだ目の奥に残っていた涙が溢れてきた。



また泣き止むまで、彼女はずっと私を抱き締めてくれていた。
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