‡一夏の思い出‡
「うっし、じゃあ帰るか」
「え?部活はいいの?」
早々と机の上に散らかっていた筆箱やら教科書やらを片付け
紫杏がニコリと笑って言葉を紡ぐ
思ってもいなかった言葉に瑠依は焦ったように言葉を返した
「うん。今日はもうクラブ終わったし
最後なんだからさ、一緒にゲーセンとか行こう」
「……う、うん…」
少し困惑した様子の瑠依だったが
やがて決心したかのように静かに頷いて答える
そんな瑠依の様子を見た紫杏は
じゃあ行こう。と彼の手を取り走り出した
最後…か
とどこか悲しく
小さく呟かれた彼の言葉に気付かないまま