‡一夏の思い出‡

「あたしも…好き、だ。瑠依……好き、なんだ」

優しく笑う君が
照れたように笑う君が
真剣な瞳が

一度だけ触れた体温
感じた温もり

全てが
彼の全てが


愛しい



もう、遅いかもしれない
けれど、伝えたい想い



「愛してる。瑠依」


頬に涙が伝いながら
紫杏は綺麗に
とても綺麗に微笑んだ



どれだけ離れても
この気持ちは変わらない
愛しい愛しいこの想い



彼と過ごした
たった一夏の思い出を

< 24 / 25 >

この作品をシェア

pagetop