‡一夏の思い出‡
カチコチ カチコチ
時計の秒針が時を刻んでいく音

サラサラ サラサラ
シャーペンが紙の上を滑る音

ペラペラ ペラペラ
問題集の薄いページを捲る音



図書館に本を読みにきた。なんて嘘だ
本当はただ、彼女に会いにきた
面と向かって会いにきたわけじゃないから
ただ、声と姿を見にきたと言った方が正しいのかもしれないけど

じっと、どこか切なそうな
悲しそうな瞳で瑠依は紫杏を見つめる


ねぇ、紫杏さん。僕は貴方が好きです
貴方の傍に居るだけで、苦しいほど胸が高鳴る
貴方にこの鼓動の音
僕の想いは届いていませんか?


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