‡一夏の思い出‡
カチ コチ カチ コチ
カチ コチ カチ コチ
サラサラ ペラペラ
今この空間にある全ての音を感じる
穏やかな時間(トキ)
「よっし、今日のノルマ終了!!!」
「お疲れ様です」
一時間ほど経っただろうか
漸く1ページ分の問題を終えた紫杏がシャーペンを机の上に置き
んーっと天井に向かって伸びをした
そんな彼女に瑠依は使い終わった教科書に
中に挟んでいた綺麗に整えて挟み
紫杏の座る向きにあわせて机の上に戻す
苦笑して労いの言葉をかければ
彼女は笑って「おうっ」と言葉を返した
「あ、そうだ瑠依」
「はい?」
「明日から毎日宿題手伝ってよ」
伸びしていた体を戻し紫杏は
筆箱にシャーペン二本と
途中で出した消しゴムを直して言葉を紡ぐ