この手を永遠に
プロローグ





晴れた空

なのに白い粒

このアンバランスな世界の中
道を行き交う人々は傘をさして
マフラーと手袋でからだを暖めて。

赤と緑と白の季節。
今日はいい天気だったが
極寒の気温で天気雪が降っている。


そこらへんの電気屋に並ぶ
テレビでも異常気象として報道され
眩しいくらいに強い日差しが
真っ白な雪に光って
別世界に来たみたいだ。





にぎわうショッピングモールを抜け、
先のコンビニへと1人歩く俺は
現役高校生。頭は馬鹿だ。
植木大樹(ウエキダイキ)って名前で
よく人から秀才そうだと言われる。
根拠がなさすぎて訳がわからない。



家では年の離れた姉、愛美(マナミ)に
コキつかわれ遣いっぱしられる。
コンビニに向かう理由も
あいつのマスカラが切れたとか。

俺のワックスを書いに行くついでと
そう思って寒い冬空の下
俺は人気のない道を歩いていた。









通りがけのケーキ屋

並ぶクリスマスケーキを
ガラス越しに眺める女がいた。
長い髪に赤い頬、綺麗な瞳をして
悲しそうな表情で眺めていた。














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