この手を永遠に
“キーンコーンカーンコーン”
朝のHRが始まるチャイムが鳴り、
もう母親の言葉など
頭の隅にすらなくなっていた。
担任は毎朝遅れて来て、
俺たち2-Aのイケてる男メンは
窓際の棚に固まって騒いでる。
教室中央の席には女子が
たまっていて、その中の1人が
俺の隣であぐらをかく親友の
翔太(ショウタ)の彼女だ。
只今2人は倦怠期ってやつで
翔太のはじけようは半端ない。
男といる方が楽だとかって
強がってはいるが
実際戻りたがってる。
女子の大群の中から彼女が
ちらっとこっちを見た。
ビンゴで翔太と目が合ったみたいで
「おいおいおいおい!」
翔太が1人盛り上がると
その時同時に教室の扉が開いた。
担任が入ってきて、
いつもなら変わらず
うるさい状況だが
今日は違っていた。
一瞬にして教室中が静かになり
担任が連れてる女へと
視線が向けられた。
うちの制服を着ているが、
見覚えはない。
各々が席へと戻り、
野次が飛ぶ中担任が話し出した。
「転入生だ。」