エリート医師の溺愛処方箋


やがてそっと唇を離して千尋が私を甘い視線で見つめる。

「…嫌だなんて、言わないで。

俺の全ては…瑠花にしか、感じないから」


…もう…やめて。
私、あなたに全てを奪われてしまう…。

そして…あなたの全てが…欲しくなる。


「明日香とは以前確かに付き合ってた。

お互いに医者として高め合えるいい関係だったけど…、追うものがあまりに違い過ぎて、俺は彼女と別れた。

だけど…君は違う。

お互いに別の何かを追いかけて、疲れた時に慰め合いたい訳じゃないんだ。

俺が大切に胸に包んで同じところへ連れて行きたい。

……俺の…独りよがりかな?」





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