エリート医師の溺愛処方箋

「……!」

共に過ごした時間の長さや、出会ったきっかけが愛の深さを推し量るものではない。

例え運命的なロマンチックな出会いであっても、愛が実らない場合もある。

千尋が、それを分かりやすく手解きしてくれる。



「先生…私、胸が…苦しい。
痛い程に動悸がするの…。

治して…くれる?」


千尋は…クスリと笑いながら私をキュッと抱き締める。


「俺も…同じ気持ちだよ。

こんな可愛い患者なら、医者になって良かったよ。

永久入院…する?

俺の側で」


「………!…そんな…。

診断もしないで…早いよ、結論が…」


「生憎、昔から気が短くてね。

じゃあ、ゆっくり診断しようかな」



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