エリート医師の溺愛処方箋
―――それから…、どれほどの時が経ったのか…。
千尋は私の身体を離すまいとでも言うように、ギュッと抱き締めたまま小さな寝息を立てていた。
そんな彼を黙ってボンヤリと見つめる。
綺麗な寝顔……。
美しい、という言葉が、彼のためだけにあるような……。
しかも今更ながらに、再び思う。
夏目総合病院の次期院長で…医局長だなんて。
どうしてこんなに凄い人と深く愛し合う事になったんだろう。
彼なら…私じゃなくても…。
そう思い始めて、いけない、と思い直し首をブンブンと振った。