エリート医師の溺愛処方箋
―――「…経過は良好ですね。
明日には一般病棟に移れますよ。
手が後遺症の影響で少し痺れているかと思いますが、それも少しずつ軽減されてくるはずです。
リハビリだけは休まずに続けて下さいね」
夏目ドクターは事故で頭を打った患者さんにそう言ってニコリと笑った。
「先生、ありがとうございます」
その初老の男性患者の返答に彼は満足そうに微笑んだ。
私は彼からカルテを受け取ると、ドクターの後に付いていきながら次の患者のカルテを準備する。