エリート医師の溺愛処方箋
彼は慌ただしく準備を整えると見送りに出た、手の空いたスタッフ数名を振り返り、
「じゃ、行ってきます。後をよろしく」
と挨拶した。
そして私の方へとゆっくりと歩いて近付いて来た。
周りのスタッフが「?」というような顔で私達を見ている。
私の目の前に立った彼は、軽く私をキュ、と抱き締めた。
「!!!?」
見ていた人達が一気に驚きの顔に変わる。
そんな視線を気にする訳でもなく、彼は私の耳元で囁いた。
「行ってくる。心配しないで」