エリート医師の溺愛処方箋
……赤ちゃんを…助けたのだそうだ。
心臓マッサージで意識を取り戻した母親が、我が子が取り残されていると泣き始めた。
傾いた車体の窓から侵入し、子供を出している時に、バスが彼の上に倒れてきた。
意識が……ない、と、電話の向こうの人が話している声が、漏れ聞こえた。
嘘。
嘘でしょ。
彼は、いなくなったりなんてしない。
私の側にずっといる、と確かに言ったわ。
そんな事は信じない。
いなく、なるなんて。
あり得ない。