エリート医師の溺愛処方箋

それからしばらくして救急車の音が正面から聞こえてきた。

駆け寄り、患者を見ると…

純白の白衣を

真っ赤な血で染めた

千尋が横たわっていた。


「…いや…」

担架の横から彼のダラリと垂れた腕。

「嘘よ」

青白く眠った様な顔。

「…いや」

何も語らない唇。

「いやあああ!!」

私はその姿を見た瞬間、腰が抜けてその場に倒れ込んだ。



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