エリート医師の溺愛処方箋
私なんかが千尋の子供を、果たして産んでもいいのだろうか。
千尋が帰国して六ヶ月……。
彼の数々の縁談話を噂で耳にしてきた。
相手は製薬会社の令嬢だったり、病院の令嬢だったり…。
彼が断っているのか、いつしか話は消えて無くなってはいくけれど、その度に胸が締め付けられる。
私達の未来は……同じではないかも知れない…。
「そろそろ医局に戻るか」
彼の声で我に返り、笑顔を作って振り返る。
「うん。お腹空いたぁ」
「瑠花はいつも食い物だな」
「何よぉ」