エリート医師の溺愛処方箋

「…え。
先生は確か、独身…ですよね」

納得出来ない様子の部長が聞き返してきた。

「ええ。…今のところ。
もうじきそうではなくなりますがね」

にこりと笑いながら彼の質問に答えた。

「…あ。…そうですか…」

「じゃ、失礼」

驚いたままの彼を残して廊下に出た瞬間に俺は走り出した。

何故だろう。

瑠花に会いたい。

彼女は本当に俺を待ってくれているのか?

昼間にあんな事があったせいだろうか。
何故だか瑠花がもうすでに俺の手の届かないところにでも行ってしまっているような、言いようのない不安が押し寄せる。



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