エリート医師の溺愛処方箋
…エレベーターの速度すらもどかしい。
早く、彼女に会ってこの不安を拭い去りたい。
その笑顔を見ないと、気が狂いそうだ。
外科医局を出た瞬間に何故、そんな気持ちになったのか。
まさか、虫の知らせなのか。
もうすでに瑠花はここにはいないのか…?
息を切らせて走る。
病院スタッフがあちこちから俺を見ている。
汗に濡れたグリーンの手術着を着替えもせずに身に纏ったまま、廊下を走り抜ける俺はさぞやおかしな状態だろう。