エリート医師の溺愛処方箋
「帽子やベストも編みたいけれど、間に合うかしらね。
だって、小さくて細かいんだもの。難しいわ」
自分自身に呆れたように笑う彼女に俺は次の瞬間に駆け寄っていた。
「きゃ!!ち、ちょっと!千尋!」
そのままギュッと抱き締める。
「あらあら。…私はお邪魔ね。
じゃあ深沢さん、私行くわね」
師長がそそくさと部屋を出ていく。
………いた。…彼女はいてくれた。
その首筋に顔を埋めて、そっとキスをする。