エリート医師の溺愛処方箋
先生、私だけを見て…
――――
「え。それじゃ、俺の縁談話を真に受けて田舎に帰ろうとしてたの?」
「…真に受けて…って。
だって、夏目総合病院のためになるお話なら、仕方ないじゃない。
あなたは後継者なんだし、そういう縁談が舞い込むのは当たり前の事だわ」
「…そんな事で…」
「そんな事!?千尋には自覚が無さすぎよ」
「自覚?…じゃあ、瑠花は俺には人を好きになる自由もないと思ってるの?
政略結婚しか出来ないつまらない人生しかない男だと?」