エリート医師の溺愛処方箋
医局に吹き荒れる恋の嵐
―――パタン。
ホテルの一室を取り、部屋のドアを閉める。
おぼつかない足取りでヨタヨタと歩きながら、俺に体重を預ける彼女を、とりあえずソファーにそっと座らせる。
「千尋……、私…だいじょう…ぶ」
むにゃむにゃと呟く彼女をしゃがみ込んで側からジッと見つめる。
目は閉じられているが、寝ている訳ではなさそうだ。
……しかし、驚いたな。
あんなところで、帰国した途端に深沢瑠花に会えるとは。
まあ、遅くとも明日には顔を合わせる事になってはいたが。
写真を見た瞬間から、彼女に興味を持っていた。
可愛くあどけない彼女の笑顔に自分でも驚くほどに引き込まれた。