エリート医師の溺愛処方箋
「瑠花?どうした?」
問いかけながら、再びそっとしゃがみ込む。
すると、彼女の細い両腕が俺の首に巻き付いてきた。
「え…、ちょ…っ」
「医局長…、私、酔ってるみたいです…」
「……」
……医局長…ね。
彼女の中で、小さな混乱が起きているらしい。
「…ベッドで眠るか?連れて行くよ」
俺が今度はそう言うと、彼女は腕の力をそっと緩めて、うるうるとした瞳で俺を見上げた。
…うわ……。
……なんて目で見るんだよ……。
まるで俺を心から愛しているみたいに……。
マジで…、止めてくれよ。
俺の理性が保っているうちに、この腕を離して欲しい。