エリート医師の溺愛処方箋
いやだ。そんな男に彼女は返さない。
……俺のものだ。
彼女の身体をキュッと抱き締める。
「……ん…」
俺の腕の力の衝撃で瑠花が小さな声を立てる。
力を緩めてその顔を見る。
そっと目が開いて、彼女とパチッと目が合った。
「…あ…。ごめん、起こした?」
俺が訊くと彼女は緩くニコッと笑った。
「……夢を…見てた。
千尋が……笑って…抱き締めてくれるの。
夢だと分かっていたけど……嬉しくて……、覚めないで、って…思ったの」