エリート医師の溺愛処方箋
「…ううん。違う」
「じゃあ、いいよね。
美味しいイタリアンの店に連れて行ってあげる」
「……」
私は…、このまま、こうして、医局長であり未来の院長でもある彼と一緒に過ごしていっていいのだろうか。
千尋の目的が、もし、私の気持ちと関係のない―――身体の結び付きだけだったとしたら……。
私は必ず立ち直れないほどに傷付くだろう。
彼を……愛し始めているから…。
「……医局長は……私に何を求めていますか」
……つい、他人行儀な言い方をしてしまう。