エリート医師の溺愛処方箋
……あなたも…そうなの?
目の前の光景が、だんだん色褪せていく。
「千尋…っ…」
黒澤先生が千尋に素早くキスをした。
…あ。
「…お…っ、おい、やめ…」
千尋が彼女を押し退けるが、彼女はまた強引に彼にしがみつき、さらに激しく唇を合わせる。
「…ち…ひろ…、好きよ…、あなた…だけ」
黒澤先生の声が私の耳を掠めては、心を刺す。
私は身動きも呼吸も出来ずに、ただ、立ちすくんでいた。