エリート医師の溺愛処方箋
グニャリと視界が揺れる。
千尋に恋人がいた。
彼も…彼女を裏切っていた。
…和志と同じように。
私は愛されてなんかいない。
彼にとっては特別でも何でもないんだ。
カタッ。
身体がふらついてついドアに手を掛けてしまった。
「…あ…」
静かに開き出したドアに気付いて二人が私を見た。
「…瑠花…」
「…やぁだ、…驚いた。
覗き?…看護師の指導不足ね、夏目センセ。
…あら、あなた…、昼間食堂で千尋と一緒にいた子ね……。
私…見てたのよ。
人のものに…手を出さないでよ」
「……!」