エリート医師の溺愛処方箋
ドン!!
「うわ!!」
廊下の曲がり角で誰かにぶつかった。
驚いて相手を見上げる。
「……!」
……和志…!
「え?!瑠花!?
いや、ビックリした。
どうしたんだ、って、何?泣いてるの?」
「…ふぇ……っ…」
和志の顔を見たら、更に涙が溢れてきた。
私は咄嗟にその胸にすがりついた。
「え?え?どうしたの」
「うわー…ぁん……」
……誰でも良かった。
傷付いた心を癒す温かさは。
ただ、ぬくもりが欲しくて、心地良かった。