エリート医師の溺愛処方箋
和志がそっと、何も聞かずに抱き締め返してくれる。
……そう。そういうところが好きだった。
いつだって、私の一番してほしい事を察してくれる。
『君だけだよ』という言葉は…嘘だったけれど…。
「瑠花!!」
突然、背後から私を呼ぶ声に驚く。
そこには白衣を風にはためかせて、長めの髪を軽く乱した千尋が息を切らせて立っていた。
抱き合う私達を見て彼は茫然としている。
「瑠花、…これは…?」