エリート医師の溺愛処方箋

和志がそっと、何も聞かずに抱き締め返してくれる。

……そう。そういうところが好きだった。

いつだって、私の一番してほしい事を察してくれる。

『君だけだよ』という言葉は…嘘だったけれど…。


「瑠花!!」

突然、背後から私を呼ぶ声に驚く。

そこには白衣を風にはためかせて、長めの髪を軽く乱した千尋が息を切らせて立っていた。


抱き合う私達を見て彼は茫然としている。

「瑠花、…これは…?」




< 94 / 208 >

この作品をシェア

pagetop