エリート医師の溺愛処方箋
私が動かずにいると、千尋がボソッと
「仕方ないな」と呟いた。
グイッ!!
突然、腕を引っ張られて和志から離される。
「!!」
そのまま私の身体は、今度は千尋の胸に収まった。
「え…っ」
抵抗する隙もなかった。
そのまま、切なく愛しく求めていた薫りに包まれる。
「なっ…、夏目医局長!
彼女を離して下さい。
何してるんですか!!」
和志の言葉に千尋は静かに答える。
「整形科の市村くんか…。
君が瑠花を傷付けた張本人か。
彼女は返さないよ。
何故かは分かっているだろ…」