年上の同級生~俺って弟?~
私は中野樹利亜。年は20。

アメリカに3年間留学していた。

日本の高校の単位を取得しないと

日本の大学に行けないから

こうして学校にきている。

日本の高校生は、想像した以上に幼く

想像した以上に封鎖的だった。

私がみんなより3つ年上なのを、話した訳でも無いのに

不愉快な噂と共に広まっていた。

’精神病院に入っていた’’問題児で学校を追い出された’

訂正する気にもならない噂と共に私はここにいる。

進級してこの2ヶ月まだ誰とも口をきいていない。

ゆっくり本が読めるのは嬉しいけれど

時々人恋しくて泣きそうになる。

ふと窓に眼をやるといつもの場所にあの子がいる。

小池君だっけ・・。

あの子もいつも一人。友達といるところを見た事がない。

背は・・。185位?眼鏡の奥の瞳は今のところ

私には何も読めない。

たまに小池君が私を見ているのを感じる。

多分同類、友達のいないかわいそうな年上の同級生

と思っているのかも・・・。

ここで大声で叫んだらみんな驚くだろうな。

私には目標がある、それを達成する為にここにいる。

だから淋しくなんかない!
 
・・って。

ホームルームが始まるベルが鳴る。

樹利亜、今日も誰とも話さなくても大丈夫よね?

うん!

自分で問いかけ

自分で答える。


今日1日をやり過ごすおまじない。

・・・意外と暗示に掛かる振りをするのは難しい・・・
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