年上の同級生~俺って弟?~
少し静まった教室に俺は日誌をもって入っていった。

みんな気まずそうだったが、俺は知らん顔をした。

その方が楽だし、その方が淋しい思いをせずに済むのを

知っている。

俺がここまで頑なに人を拒む理由。

言っても解ってもらえないだろうから・・・・。

言わない・・・・。

・・・中野を盗み見してみる。

何事も無かったように真っ直ぐ黒板を見ている。

よく見ると綺麗な顔立ち。多分笑ったらもっと素敵なんだろうな。

真っ直ぐな染めていない黒髪、白い肌、黒目がちな瞳。

この人に色があるとすればぽってりした唇の紅。

中野も人と話すところを見た事がない。

どうしてなんだろう。

????俺はなんで中野の事を考えてるんだ????

まさか、気になってる?俺?

この時は中野をもっと知りたがっている自分に

気ずかない振りをする自分に気がつかなかった。

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