Chu-Lips
『伊津 瑞季です。よろしく。』
『『キャー!!』』
「・・・・」
少し笑った伊津にクラスの女子が奇声を発する中、柚だけは伊津を凝視していた。
何で…
何でこの人がここにいるの!?
だって、5年も前に王様は……
パンパンッ
『静かに!盛るな、お前ら!…じゃ、伊津は溝口の隣な。溝口!』
『…うっす。』
キャーキャー言う女子を静かにさせた井上先生は、伊津を溝口の隣に指名した。
女子の周りに伊津を置くのは危険だと判断した井上先生の魂胆だ。
溝口は野球命の野球少年。
周りの奴らも部活に熱中するヤツばかりだ。