Chu-Lips
そうだ!
聖花ちゃんに頼めばいいんだ!
「聖花ちゃん!」
『?な、何?』
そうと決まれば即実行がポリシーである柚は、天にもすがる思いで聖花を見つめる。
そんな柚に、聖花は嫌な予感を感じていた。
なぜなら、柚は何か困った時があったら必ず自分に助けを求めるからだ。
「学校案内役を一緒にしてくれませんか!」
『…は?』
身構える聖花に届く柚の助けの声。
いきなり学校案内役と言われても、聖花は反応に困るしかない。
『な、何?その…ぁ、案内役って?』
「そっ、それがねっ!」
食い付いたと思った柚は、説明を始める。
柚が恐れているのは1人で伊津の学校案内をするという最悪な事態。
柚はもう、学校案内するのは1人じゃなかったら誰でもいいと思っていた。