Chu-Lips
――キーンコーンカーンコーン
時に時間は早く過ぎるもので、気付けば4時限目を終えるチャイムが鳴り響き、昼休みを迎えた。
『…柚。』
「ぁ、聖花ちゃん…。」
『屋上行こう。』
「…うん。」
お弁当を持ってきた聖花に言われて、柚もお弁当を持って席を立った。
――『話してくれるかな、柚。』
屋上で、柚が言われたのはその一言。
真剣な表情の聖花を見て、柚は話す覚悟を決めた。
「…あのね?私と、瑞季くんは…小学校からの知り合いなんだ…。」
『…ぇえ!?』
柚の告白に、聖花は屋上に響き渡るような大声を上げた。
『ちょっ、ホントに!?』
「ホントだよ…。小1から、ずっと同じクラスだったもん…。」
『ぇえぇ…』
いくら勘の良い聖花でも、そこまでは予想していなかったので口を開けて驚いている。
「でも、瑞季くんは小6の時に引っ越したの、アメリカに…。」
『アメリカ!?じゃぁ、英語ペラッペラじゃん…。』
突っ込むのはそこじゃなくないか?と柚は思うが口には出さなかった。